第18話「大火から復興を果たした先人たち~都市計画で市街地が一変~」

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ページ番号1009320  更新日 令和2年10月16日

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あたみ歴史こぼれ話(本編)

「あたみ歴史こぼれ話」第18話の画像
「あたみ歴史こぼれ話」第18話(令和2年(2020年)10月号掲載)

※広報あたみの原本をご覧になりたい場合は、
以下のリンク先からご覧ください。

今年は熱海大火発生から70年目にあたります。
このため、広報あたみ令和2年10月号では「熱海大火」特集を
掲載しています。(表紙から5ページまで)
特集記事の抜粋を下に載せましたので、「あたみ歴史こぼれ話」と
併せてご覧ください!

あたみ歴史こぼれ話―本編の後に

このコーナーでは、「あたみ歴史こぼれ話」で
掲載しきれなかったことを中心にご紹介します。
本編を読み進んだ後に、ご覧ください。

※このページで掲載されている画像は、閲覧のみ可能といたします。
 画像の保存、複製及び使用は禁止といたしますのでご遠慮ください。

【熱海大火での混乱を伝える新聞各紙】

 昭和25年4月に発生した熱海大火から、わずか1週間で復興へ向けた
 工事が開始される程、奇跡的な速さで復興へ進んでいきましたが、
 大火が発生してすぐは、命からがら逃げ延びたり、焼け跡での闇市が
 開かれたり、火事場泥棒が発生したりと、混乱が発生していました。
 新聞各紙では、以下のように報じられています。

 昭和25年4月14日付「読売新聞」号外では―
  焼失した玉の井旅館の宿泊者の話として
  「玉の井旅館で六時少し前おフロに入つていると火事だ火事だという声を
   聞いてびつくり、湯ブネから飛出すともう火の粉がおフロ場の窓に
   降るように落ちているので着物を羽織り私たち四人はその家から
   飛び出しましたが火の粉で歩けず再びフロ場にもどり手ぬぐいやフロ敷を
   水に浸して頭からかぶり旅館の裏から夢中で逃げました、通路は車に荷物を
   積んだりフロ敷包を背負つた人々でごつた返し廿歳ぐらいの男の人が
   顔中血だらけでふらふら逃げていく姿を見ました」

 昭和25年4月14日付「朝日新聞」では―
  大火当日の夜に到着した記者のレポートとして
  「丹那トンネルの山をめざして続々避難してくる人たちの声をきくと水利の悪い、
   狭い坂道の街であることが主な理由のようだ、井戸がなく、かんじんの水道は
   水圧が下がって役にたゝず、海水を使おうとして海岸まで必死にホースを
   つなごうとしているが、これも間もなく火の手にはゞまれた、糸川、初川の
   川の水を利用するが思うようには行かない、右往左往する消防団員も手の
   つけようがない、市当局で負傷者救護の準備にかゝつているが、なかなか手が
   回りかねている様子」

 昭和25年4月15日付「朝日新聞」では―
  試験中のラジオ・カーから、大火翌日の記者のレポートとして
  「作家広津和郎氏(清水町)も被災者の一人だが、付近の花屋旅館裏に新築中の自宅は
   完成間近だつたので二階建の新築に移つた、家人の話によると布団少しを持ち出した
   だけで丸焼け、同氏は前々夜から執筆と火事で一睡もしなかつたので十四日早朝から
   ドロのように眠りこけているという」
  「一夜明ければ昨日まで着飾つた熱海の常連客、大きなリュックに買物カゴを
   ブラ下げたヤミ屋、見物を兼ねた見舞客の長い列、駅の乗降客は平日の約三倍」
  「小田原、三島両市署から応援の警官がつじつじで交通整理、米のヤミ値は百五十円
   (一升)につり上つて東京以上の高値、市内の飲食店はベラボウな高値をふつかけ、
   つつけんどん、あこがれの熱海が一夜にしてこんな姿になつているとは露知らず
   あつけにとられているのんきなアベック組がチラホラ」

 昭和25年4月15日付「東海朝日新聞」では―
  大火事の噂話、火事泥も跳梁か
  「一方火事場騒ぎの最中、紛失したのか、盗まれたのか十四日早朝から早くも
   届け出があり二十件に達している、市内旭町・・・さんは大火の最中、市営プール
   南側に衣類三十点(二十五萬円)を置いていたところ、何者かに盗まれていた。
   咲見町・・・さん方では當日午後九時頃、荷物をはん出、新品自転車に
   衣類行李を結びつけていたが一瞬の間に盗まれて届け出た、」
  ※新聞記事では住所と氏名が掲載されていましたが、個人情報保護のため、
   伏せ字とさせていたきました。


※下に掲載した「熱海市大火延焼状況図」や新聞記事の大きな画像を
ご覧になりたい場合は、画像の下の添付ファイルをご覧ください。

熱海市大火延焼状況図
「熱海市大火延焼状況図(昭和25年4月13日大火)」
渚町の埋立工事中の敷地から出火した後、東風に煽られて
南西方面に燃え広がり、銀座、浜町、本町、糸川町、新宿、
下天神町、天神町(現在の銀座町、中央町、清水町、昭和町近辺)
などを中心に合計3万8千坪を全焼しました。

(出典:『熱海市大火調査報告』 損害保険料率算定会 著)
読売新聞号外昭和25年4月14日号熱海大火の記事の画像
燃える熱海繁華街の写真と熱海大火の惨状を報じた記事
(出典:「読売新聞」号外 昭和25年4月14日号)
朝日新聞昭和25年4月14日号熱海大火の記事の画像
烈風にあおられて拡がる火の手の写真と大火の被害状況を
報じた記事(出典:「朝日新聞」 昭和25年4月14日号)
朝日新聞昭和25年4月15日号熱海大火の記事の画像
焼失した熱海銀座の街並みの写真と熱海大火の混乱を報じた記事
(出典:「朝日新聞」 昭和25年4月15日号)

※「あたみ歴史こぼれ話」の一覧へは、以下のリンク先から戻ることができます。

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このページに関するお問い合わせ

教育委員会 生涯学習課 網代公民館 歴史資料管理室
〒413-8550 熱海市中央町1-1
電話:0557-48-7100ファクス:0557-48-7100
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。