【民俗文化財】多賀神社鹿島踊
多賀神社鹿島踊
よみ:たがじんじゃかしまおどり
種別:民俗文化財
指定日:昭和63年(1988)7月1日
所在地:上多賀741-1
所有者・管理団体:多賀神社鹿島踊保存会
解説
〈鹿島踊とは〉
鹿島踊は古い民族芸能の一つであるが、その現存しているところが、相模湾の西側、北は神奈川県小田原市石橋から、南は静岡県賀茂郡東伊豆町北川までの海岸に臨む二十数か所にしか見られないということは珍しい。しかし、それらの中には、とだえる寸前にあるものもあったが、近年また復興の気運に向かっている。
幸いにして、熱海市には、来宮・多賀・下多賀・阿治古・初木の五神社が、多少の変化はあっても、いずれも今日まで保存してきている。
鹿島踊は茨城県の鹿島神宮の信仰を捧持した神人たちによって、各地に伝えられた舞踊であるといわれている。
また、この踊りは悪疫を退散し、部落を防禦する祈りの芸能であって、漁民たちには、その長い歴史の中で、生活の安らぎを求めるために、信仰の糧を与えてくれた芸能であるとされている。
鹿島踊の踊り手は、元来青年男子を主体に、青年男子が部落社会に一個の生活権を持つために行われる儀礼の芸能であった。
その踊りの人数は、五行五列、25人が基本的なもので、役の種類は、太鼓の役1人、鉦の役1人、黄金柄杓の役1人、日形・月形の役各1人であるが、現存するものは必ずしも一定していない。それに歌上げ数人と、踊りの群を四隅で守る警護4人がいる。警護と歌上げを除いた踊り手は、白の浄衣を着、平礼(へいらい)烏帽子をかぶり、白足袋、白緒の草履をはき、左手に幣を、右手に扇を持つのが正形である。
その踊りの形は、方形にならんで踊る方舞と、太鼓などの主役を中心に、まるくならんで踊る円舞との組合せで、まず社前にならび、左まわりに円周をつくって一巡し、静止して弥勒歌を歌い、終って方舞と円舞を二度繰り返す。これを全踊り、一度だけを半踊りといっている。歌上げが一句を歌い出し、あとは全員が斉唱する。
〈多賀神社鹿島踊について〉
五行六列を原形とする。太鼓は中央に据え、鉦は使用しない。方舞だけを踊り、歌上げは列外に立つ。宵祭は社前で「一踊」、御浜で「半踊」、社前で「一踊」をする。本祭は社前で「一踊」、御浜で「半踊」をし、休憩後、御浜で「半踊」、社前で「一踊」をする。
奉納日、7月28日・29日。
引用・参考文献:熱海市教育委員会編1990『熱海の文化財』
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