【建造物】湯前神社石燈籠

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ページ番号1017160  更新日 令和7年5月20日

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湯前神社石燈籠(参道社殿に向って左)の画像
湯前神社石燈籠(参道社殿に向って左)
湯前神社石燈籠(参道社殿に向かって右)の画像
湯前神社石燈篭(参道社殿に向かって右)

よみ:ゆぜんじんじゃいしどうろう

種別:建造物

指定日:平成18年(2006)12月4日

員数:2基

所在地:上宿町4-8

所有者・管理団体:湯前神社

解説

〈時代〉宝暦8年(1758)

〈法量〉高さ205cm 笠幅75cm 基壇幅66cm

〈品質・構造〉安山岩製

 湯前神社は温泉の神として古来より信仰され、少彦名命を祭神とする。『熱海市史』上巻によれば、寛文7年(1667)の『拝殿再興勧進帳』の縁起に天平勝宝元年(749)に箱根の万巻上人により、湯前権現(薬師如来)を顕現したと伝わる。春秋の例祭には神前に温泉を献湯して国の隆昌と浴客の健康を祈る「献湯祭」や、江戸城へ温泉を献上した故事を偲んで「湯汲道中」が行われる。

 石鳥居の柱には「筑之後州久留米右少将源朝臣頼徸」「維時安永庚子歳九月中旬」「奉献納石華表(鳥居)」の銘があり、石燈籠には「筑之後州久留米侍従源朝臣頼徸建之」「維時宝暦八年戊寅夏〓〓上」と銘文が刻まれている。また、天保3年(1832)に刊行された山東京山の『熱海温泉図彙』には「石燈篭両基、宝暦八年夏、久留米の太守ここに浴したまひし時の御寄附なる事、彫つけあり。石鳥居、安永九年の秋、太守再び浴したまひし時の御寄附なり。」とあることから、久留米藩第7代藩主有馬頼徸により宝暦8年(1758)に寄進されたことがわかる。

 有馬頼徸は、「久留米藩の吉宗」とも賞賛される名君で、50年余の長い治世で久留米藩の藩政は比較的安定したとされる。また「風流三大名」にも数えられ、有職故実や法令の造詣深く、和算の研究者でもあった。湯前神社石燈籠は江戸時代の熱海温泉に湯治した大名が寄進した石造物であり、熱海温泉の歴史を考える上で貴重なものである。

  引用・参考文献:山東京山1832『熱海温泉図彙』

          熱海市史編纂委員会1967『熱海市史』上巻

          山田芳和編2002『湯前神社の歴史と伝承』湯前神社奉賛会

銘文

石燈籠(参道社殿に向かって左) 銘文
石燈籠(参道社殿に向って左) 銘「筑之後州久留米侍従左少将源朝臣頼徸建之」
石燈籠(参道社殿に向って右)銘文
石燈籠(参道社殿に向って右) 銘「維時宝暦八年歳戊寅夏〓〓上」

このページに関するお問い合わせ

教育委員会 生涯学習課 文化交流室(施設担当)
〒413-8550 熱海市中央町1-1
電話:0557-86-6232 ファクス:0557-86-6606
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