市営温泉のある街 「熱海」

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ページ番号1005368  更新日 令和5年9月26日

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熱海市は、全国でも珍しく市営で温泉供給事業を運営しているため、ホテルや旅館だけでなく、自宅や別荘にも温泉を引くことができます。

1936(昭和11)年7月1日に事業認可を受けて発足した町営温泉は、翌年市制施行と同時に市営温泉として運営を開始しました。

当初は温泉を旅館へ効率よく供給することを目的に発足しましたが、現在は旅館や保養所などへ供給するとともに、一般家庭へも供給しています。

令和4年度版 熱海市温泉事業のあらまし

熱海温泉の由来

西暦491年、熱海の海底から熱湯が湧き出して、多くの魚介類が死んだという伝承が残されています。
749年、箱根権現の万巻上人が、海中に湧く温泉で魚が死ぬのを哀れみ、薬師如来に祈祷し、泉脈を現在の大湯間欠泉の地に移し守護神の杜(湯前神社)をつくり、一般の人々が温泉の恩恵に浴することが出来るようにしたことが、熱海温泉の由来といわれています。

江戸時代・湯汲み道中

江戸時代、熱海温泉には多くの大名が湯治に訪れました。
大名や旗本の宿泊施設(本陣)であった今井家の宿帳には、幕末にかけての200年間で、全国の城主65人が来湯した記録が残っています。
四代将軍徳川家綱の時代(1667年)に大湯の温泉を檜の湯樽に汲み、それを頑強な男数人が担ぎ、武士の警護の下「御本丸御用」の朱色の日の丸旗をたてて、昼夜兼行で15時間走り、江戸城へ献上されたのが「湯汲み道中」の始まりといわれています。

写真:江戸時代の温泉施設の絵
「今井半太夫の湯店と一碧楼」

湯治場から保養地へ

明治中期には、平均で1週間程度滞在していた湯治客は、次第に保養目的と変わり客層も中産階級へと変化していきました。宿泊形態も自炊中心から徐々に食事を提供する形へ変わるようになりました。
1925(大正14)年の国鉄熱海線の開通により、東京と3時間20分で結ばれるようになると保養や観光目的で熱海へ訪れる人が急増しました。
大正期には、高台の傾斜地等に別荘分譲地の開発も盛んになり保養地としてもますます発展していくことになります。

写真:熱海温泉図
明治時代の熱海温泉を描いた「熱海温泉市區壱覧」

市営温泉のはじまり

1934(昭和9)年に丹那トンネルが完成し、東海道本線が通るようになると熱海温泉の地位は一層高まり、旅館は95軒、宿泊客は33万人を数えました。
同時に源泉の乱開発も著しくなり、既存の源泉の湧出量、湧出回数が減少する事態が発生します。当時、熱海七湯の1つである「大湯」が源泉利用の中心でしたが、この大湯も深刻な被害を受け、このことをきっかけに、源泉利用をめぐる紛争が起こりました。
紛争を解決するため、源泉を効率的に管理する仕組みが求められたことから、熱海温泉中心部の源泉開発を原則禁止にするとともに、熱海七湯を含む16の源泉を町営化することとしました。
1936(昭和11)年7月1日に事業認可を受けて発足した町営温泉は、翌年市制施行と同時に市営温泉として運営を開始しました。

写真:大湯間欠泉の様子
現在の大湯間欠泉

市営温泉の現状

市営温泉は、泉地区、熱海地区、南熱海地区で温泉の供給をしています。昭和11年に事業運営を開始して以来、次第に拡充し昭和32年には「地方公営企業法」を適用、さらに昭和34年には機構改革によって公営企業部が設置されました。

市営源泉は59(休止等を含む)を数えております。市営温泉の源泉は、熱海市が独自に掘削したものや買収したもの、寄付を受けたものなどがあります。
市営温泉の源泉は高温で湧出量が豊富な優秀な源泉が多くあります。しかし、優秀な源泉は設備の維持管理の面では経費のかかる源泉ということもいえます。特に塩化物イオンが多く含まれる塩化物泉は、保温効果に優れ疲労回復はもとより温泉療養に適しているといわれていますが、化学物質が多く含まれることにより、スケール(湯の華)と呼ばれる含有物がポンプや配管に付着しやすく、設備の劣化が早くなります。
現在、市の温泉施設は老朽化が進んでいて、修繕が必要なものばかりですが、財政上の問題からその全てを改修する余裕がないのが現状です。

写真:配管に付着したスケール
スケールが付着した管
スケールが付着すると温泉の流量が減り、濁りや温度低下が起こります。

平成20年度に平均18%の料金値上げを実施したことにより、経営の健全化が図られ、平成18年度に2億4千6百万円あった資金不足額が平成22年度決算において、資金不足(赤字)を解消することができました。
しかし、施設の老朽化や修繕が必要な箇所は増加傾向にあり、給湯件数の減少による収益の減少は、依然経営状態が厳しい状況であることを示しています。

市営温泉供給区域

地図:温泉供給区域 泉地区、熱海地区、南熱海地区

(1)泉地区
供給地区:泉五軒町・泉中沢
3源泉を利用して1日100立方メートルを供給。泉温が低い(30~52度)ため加温して供給していますが、未利用分については循環させることにより再供給しています。

(2)熱海地区
供給地区:咲見町・東銀座町・温泉通り町・新宿町・上宿町・仲田町・福道町・水口町・旭町・旭町二丁目・中央渚・浜町・友楽町・銀座町・東町・本町・清水町・天神町・下天神町・天神山・小嵐町・桜町・桜木町・和田浜南町・和田浜町・上和田町・栄町・錦町・西山町
昭和11年7月1日に町営温泉として事業認可を受け発足したあと、昭和26年には西山地区の私有温泉組合を統合し、現在では52の源泉(休止等を含む)を利用して1日1,000立方メートルを供給しています。

(3)南熱海地区
供給地区:和田木・小山・中野・下多賀・上多賀の一部
市有の4源泉(休止を含む)と一部民間の温泉を利用し、1日210立方メートルを供給しています。上多賀、下多賀地区には源泉が無いため、和田木から多賀小学校上の多賀加温室へ送湯してから供給しています。

※供給地区は町内名

市営温泉が家庭に届くまで

源泉はエアーリフトまたは水中ポンプで温泉をくみ上げます。圧縮空気を井戸孔へ吹き込み湯を揚げるエアーリフト方式は広く普及している方法ですが、騒音や振動が少なく効率的な水中ポンプ方式への切り替えを進めています。 くみ上げられた源泉は掲湯管を通って、源泉からくみ上げた温泉をためる貯湯槽に送られます。そこから送湯管を通って、源泉の温度が低い場合や再循環の際に加温する加温室に送られ、配湯管を通って各家庭に届きます。泉地区では、供給する温泉を無駄にしないために、未利用の場合は加温室へ戻し、再加熱できるような循環システムを構築しています。

市営温泉加入のお願い

市では、市営温泉への加入者を募集しています。

加入資格

温泉供給区域内の居住者または家屋の所有者であること。ただし、使用する場所が申請者の所有でない場合は、その所有者の同意書が必要です。

供給加入金・温泉維持費

加入時に供給加入金が必要となります。(浴槽の数、容積により金額が異なります)

温泉維持費と併せて、詳細につきましては下記のページをご覧ください。

温泉供給装置工事

温泉本管から自宅浴槽までの配管工事は熱海市温泉指定工事業者に依頼しておこなっていただきます。

工事費は自己負担となります。

加入申し込みに必要な種類など

許可申請書・印鑑証明書・引湯場所の所有者が確認できるもの・自己所有でない場合は所有者の同意書

市営温泉料金

詳細は、下記のページをご覧ください。

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このページに関するお問い合わせ

公営企業部 水道温泉課 経営企画室(企画)
〒413-8550 熱海市中央町1-1
電話:0557-86-6484 ファクス:0557-86-6490
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。