熱海の由来
熱海温泉のはじまりと熱海の地名の由来
奈良時代、箱根の万巻上人が、海中に沸く熱湯によって魚類が焼け死に、甚大な被害を被っていた漁民たちの訴えを聞き、祈願によって泉脈を海中から山里へ移し、「この前にお社を建てて拝めば、現世も病を治す、来世も幸せに暮らせる」と人々に説いたと伝承されています。この源泉が現在の大湯であり、そのお社は薬師如来と少彦名神をお祀りしてこの地の守り神とした、湯前権現(現在の湯前神社)であるといわれています。
また、「熱海」と書いて、「あたみ」と読むこの地名の由来は、海中より温泉が凄まじく沸きあがり、海水がことごとく熱湯となったため、「あつうみが崎」と呼ばれ、それが変じて「あたみ」と称されるようになったと言われています。
初木姫伝説(初島にまつわる伝説)
人皇第五代孝昭帝の頃、初木姫は日向から東国順撫に向かう途中、伊豆沖で遭難、一人この小島に漂着しました。
姫は毎日磯辺をさまよって、対岸に人がいるのだろうかと、焚き火をたいて合図したところ伊豆山の伊豆山彦という男神がこれにこたえました。
姫はこれに力を得て、萩を組んで筏にし、草で織った帆を巻いて伊豆山港に渡りました。
二人が出会ったその場所は、伊豆山の逢初橋と言われています。
伊豆山に渡った初木姫は、伊豆山の中腹に登り、木の中に棲む日精・月精という二人の子どもを見つけて育てました。
その子どもが成長し、二人は夫婦となり、やがてその子孫は繁栄しました。伊豆山権現の祖先は、この二人だと言われています。(初木神社碑文より)
この伝説が書かれた碑が、島内の初木神社にあります。
お初伝説(初島にまつわる伝説)
『島の乙女のはや胸に、秘めて高鳴る琴の緒の断たれて悲しい恋の火よ』悲しい歌に残されている物語です。
大昔、初島は住む人が六軒しかない寂しい島でした。17歳の美しい乙女が伊豆山のお祭りで、右近という若者を好きになりました。
「百夜通えば結婚する」という約束でお初は海上三里をたらいにのって通い、九十九日目の夜、お初に横恋慕した男が目印の火を消してしまったため、波にのまれて死んでしまいました。
右近はお初の弔いに諸国巡礼の旅に、火を消した男は七日七夜苦しんで遂に死んでしまいました。そんなお初を偲び、「お初の松」と名付けた松の木を、島の人は大切にしています。(お初の松碑文より)
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