講座5-7「なぜ、フィンランドは幸福度世界第1位?~人生のために学ぶ人たち~ 」講師:北方美穂(昭和薬科大学非常勤講師)紹介

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ページ番号1013604  更新日 令和5年3月13日

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講座紹介

フィンランドは、国連の世界幸福度調査(2022年)で5年連続1位になりました。この調査は主観的な幸福度が重視されたもので、世界149の国と地域を対象とするなかで日本は54位、先進国のなかでは下位に位置しています。日本も、GDPや健康寿命などの客観的評価スコアは遜色なく高いのですが、人生選択の自由度・他者への寛容度・汚職の蔓延などの主観的評価スコアが低いため、順位は低迷してしまいます。

フィンランドには、教育の機会均等を旨とする、建国以来の基本精神があります。大学院まで教育費が無償で、就職しても休業し、学び直しやリスキリング(技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために新しい知識やスキルを学ぶこと)が盛んです。教育立国を確立させたのは、20世紀末の教育改革であり、人への投資が実を結んだと言えます。古代ローマの哲学者セネカは、「我々は、自分の人生のために学ぶべきだ」と言いました。自ら人生を幸福へ導くために、いつでも学び直したり、新しい学びに挑戦したりできる――フィンランドの教育政策は、この言葉を体現しているかのように思えます。

フィンランドも日本も少子高齢社会であり、人への投資は不可欠です。フィンランドでは、勤務中に「カハヴィタウコ(コーヒー休憩)」が保障され、残業はほとんどなく、男性の育児休暇取得率は約8割に上ります。それでも、一人当たりGDPは日本より高いのです。働き方や学び方の違いを知ると、私には次から次へと新しい関心がわき起こり、2008年から継続的にフィンランドを訪問しています。「国のリビングルーム」と呼ばれる図書館、命が宿ったときから個別に手厚く親子の健康をサポートする「ネウボラ」、街にあふれる豊かな自然、保育園や学校などの教育現場、街の教会や礼拝堂等を取材してきました。

フィンランドの街を旅するように、たくさんの取材写真を通して、施設を巡り、人々の声を聞き、「自分の人生のために学ぶ」とは何かを考えてみませんか。

【講師から皆様へ】
現地取材の写真を通して、フィンランドへのバーチャルな旅気分を満喫しながら、「人生のために学ぶ」って何だろう? と、一緒に考えてみませんか。

北方美穂氏プロフィール

講師:北方美穂

昭和薬科大学非常勤講師

1984年 お茶の水女子大学文教育学部卒業

2021年 放送大学大学院修士課程文化科学研究科修了

修士論文『フィンランドの出産・子育て支援制度「ネウボラ」(Neuvola)から日本は何を学んだのか~「ネウボラ」視察をもとにした聞き取り調査を手がかりに~』

公益社団法人こども環境学会代議員、一般社団法人日本フィンランド協会事業推進委員、一般社団法人住宅生産団体連合会主催絵本コンクール審査員、社会福祉法人陽光福祉会評議員、公益社団法人こども環境学会学会賞活動賞審査員

石川テレビ放送株式会社勤務を経て、子育てをしながらNHK教育テレビ国語番組「あいうえお」に協力参加。その他株式会社学研ホールディングス、株式会社メイト、株式会社黎明書房等の雑誌や書籍の編集・執筆を担当。

開催日

令和6年1月11日(木曜日)

このページに関するお問い合わせ

教育委員会 生涯学習課 中央公民館
〒413-8550 熱海市中央町1-1
電話:0557-86-6578 ファクス:0557-86-6606
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。