伊豆山郷土資料館 展示品のご紹介

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ページ番号1001867  更新日 令和6年3月27日

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当資料館では、次にご紹介するような、貴重な文化財や資料を展示しております。

銅造走湯権現立像(どうぞうそうとうごんげんりゅうぞう)

写真:銅造走湯権現立像

【所有】 伊豆山神社 静岡県指定有形文化財
南北朝時代

この像は、同じ伊豆山地区にある般若院(はんにゃいん)の伊豆山権現立像(いずさんごんげんりゅうぞう)に似ていますが、顔立ちや衣服等の作風に若干の相違が見られます。

穏やかな表情で、立烏帽子(たてえぼし)を被り、袍(ほう)(※上着のこと)に指貫(さしぬき)(※袴のこと)そして袈裟をかけたその姿は、七福神の恵比寿さまを思わせます。
持物は喪失しておりますが、伊豆山権現立像と比べて、鉾(ほこ)と笏(しゃく)とを持っていたと推定されております。

背中の上方には「本宮走湯権現神体 十方旦那勧進 明徳三年壬申十一月十八日」(ほんぐうそうとうごんげんしんたい じっぽうだんなかんじん めいとくさんねんじんしんじゅういちがつじゅうはちにち)と刻まれております。

明徳3(1392)年は、およそ半世紀に及んだ南北朝の争乱が終結したとされる年です。
この像には、当時の人々が、争乱で犠牲になった者たちへの鎮魂と、恒久の平和への願いが込められていたのではないでしょうか。

木造宝冠阿弥陀如来像及び脇侍像(もくぞうほうかんあみだにょらいぞうおよびわきじぞう)

写真:木造宝冠阿弥陀如来像及び脇侍像

【所有】 伊豆山浜生活協同組合 静岡県指定有形文化財
平安時代後期

伊豆山地区にある逢初橋(あいぞめばし)近くの逢初地蔵堂にある像です。

つくられた当時は、中央の阿弥陀像を中心に、法・利・因・語の四菩薩像がその周りに配置された、計五体から成っておりましてが、現在、二菩薩像が亡失しています。また現存する二像も、両腕が無くなっております。

穏やかな表情の阿弥陀像は、髪を上で束ね、筒型の宝冠(ほうかん)を被っていたと考えられています。

寄木造り、漆箔、彫眼で彫技も優れており、常行堂の本尊として大変貴重な有形文化財です。

優品であるため、昭和43年より13年間、奈良国立博物館に寄託・出品されておりました。

木造 男神像・女神像(もくぞう だんしんぞう・じょしんぞう)

写真:木造 男神像・女神像

【所有】 伊豆山神社 熱海市指定有形文化財
南北朝時代

この像は、表情豊かな親しみやすい男女の立像であります。男神像は胸先で手を組み持物を持つ姿、女神像は中国風な服の袖の中で手を組む姿が確認できます。

小像ではありますが、作られた当時は色鮮やかに彩色されていたこともうかがわれ、檜(ひのき)製の寄木造(よせぎづくり)となっております。

像の胎内には墨で銘が書かれており、男神像には「一心三締観努 一行一切行 恒悠三昧 内田入道玄朗広希一切諸入皆入□□ 泉正薫周」、女神像には「走湯山大仏師周□(慶) 明徳五年六月八日」と記されており、伊豆山神社の祭神であったことがうかがい知れます。

頭髪梵字曼荼羅(とうはつぼんじまんだら)

写真:頭髪梵字曼荼羅

【所有】 伊豆山神社
鎌倉時代 複製展示

北条政子の頭髪で刺しゅうされた曼荼羅であると伊豆山神社に伝わるものです。
この法華曼荼羅の裏面の修理銘には、北条政子が夫である源頼朝の菩提を弔うために自髪を用いて法華曼荼羅を刺しゅうしたことや法華堂の本尊としたことが記されています。


鎌倉幕府が編さんした幕府の歴史書である「吾妻鏡」によれば、正治2(1200)年に、北条政子が源頼朝の1周忌にあたって法華堂に自髪を縫った掛軸を奉納しており、そうした頼朝や北条氏との縁の深さ、歴史を示す曼荼羅と考えられています。

拝殿向拝彫刻 龍神(はいでんこうはいちょうこく りゅうじん)

写真:拝殿向拝彫刻 龍神

【所有】 伊豆山神社
江戸時代

伊豆山神社の社殿の向拝を飾っていた彫刻の一つで、「波の伊八」の名で知られた江戸時代の宮彫師、武志伊八郎信由の作とされています。

伊八は「波を掘ったら日本一」と言われた名工で、その作風は同時代に活躍した葛飾北斎等にも強く影響を与えたともされております。

紺紙金泥般若心経 後奈良天皇宸翰(こんしこんでいはんにゃしんきょう ごならてんのうしんかん) 1巻

写真:紺紙金泥般若心経 後奈良天皇宸翰

【所有】 伊豆山神社
室町時代 複製展示

後奈良天皇の御立願により諸国の一の宮に納められた宸筆心経の中、伊豆国あてのものとされている経です。

伊豆国一の宮とは三島大社のことですが、なぜ伊豆山神社に伝承されたかは不明です。後奈良天皇の宸筆心経は、安房、甲斐、三河、周防、肥後等の諸国あてのもの7巻のみが現存しております。

扁額 伊豆大権現(へんがくいずだいごんげん)

写真:扁額 伊豆大権現

【所有】 伊豆山神社
江戸時代

伊豆山神社は伊豆大権現(いずだいごんげん)、走湯大権現(そうとうだいごんげん)などと称されていましたが、明治時代になって現在の社名に改称されました。

この扁額は、その明治初年の廃仏毀釈の時まで、神社の拝殿に掲げられたものといわれています。文字は様々な動物などを模して描かれております。

伊豆山経塚遺物(いずさんきょうづかいぶつ)

写真:伊豆山経塚遺物

【所有】 伊豆山神社 静岡県指定有形文化財
平安時代

昭和2年、伊豆山神社本殿の裏山で発見された大規模な経塚で、出土品にみられる銘文から一度の埋経とは考え難いが、12世紀を中心とした経塚遺物として考古学上貴重な有形文化財とされております。

銅製経筒9基、土製経筒4基、銅製観音座像1体、銅製鏡1面。
銘文(銅製経筒)「永久五年酉久八月四日丑巳僧良勝成祐橘氏」
(鏡)「人僧永祐承安二年十一月十一日藤原景行□□平氏相州下毛利」。

このページに関するお問い合わせ

教育委員会 生涯学習課 文化交流室(施設担当)
〒413-8550 熱海市中央町1-1
電話:0557-86-6232 ファクス:0557-86-6606
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。